てぃーだブログ › 髙橋百合香の「島日記」─546 Travel Days Log─

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Posted by TI-DA at

2013年06月01日

あかるい絶望、から日々行きていくということ。

20代のころ、40代の人にカラっとした調子で「日々、絶望してるからなぁ」と
言われて、複雑な気持ちになったことがある。

そうなんだ…と受容することはできても、その人の感じている絶望を自分のこととして
とらえられないことを、申し訳なく感じたのだろう。

でも、今はすこしわかる。
いくつかの絶望を私も味わったから。
そして、味わってみると、絶望というのは真っ暗闇の八方ふさがりのような感じではなく、
日常の中にぽこんとある。
日々の楽しいことや心地よいこととともにある。

30代の私を貫いていた情熱や未来への期待は、今はしずまっている。
消えたわけでも、くすぶっているわけでもないと思う。
ただ、今は、なりをひそめている。

何かを実現することに全身全霊を傾けず、「今」にフォーカスして生きていくこと。
現実をダイナミックに動かす情熱や期待はないけれど、木や草や花、空と海…
目の前にあるものを微細に見つめることはできる。

微細な観察の積み重ね。
もしかすると、私にとってはこれが地に足をつけるということなのかもしれない。
絶望後のあらたなフェーズ。

情熱や期待のかわりに、今ここで小さな光を放っている美しいもの、心地よいもの、楽しいもの…
それらのピースを集めて生きていく。

そうしているうちに、たどりつく場所もあるだろう。


まだまだ旅の途中。2013年4月・台湾の高雄にて  

Posted by yurippe at 12:04Travel Days Log