2006年07月10日

魂のごちそう。

先日、テレビを見ていて「面白いな、素晴らしい!」と思った方。

脳科学者の茂木健一郎さん
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組の司会をされている方。

私が見た回ではエンツォ・フェラーリのデザインを指揮した、日本人の
カーデザイナー・奥山清行氏がゲスト。
採用される1枚のデザインのために、何千枚とデザイン画を描くといった氏に、
女性司会者は

「デザインというものは、食べ物とか水みたいに生きるために
必ずしも必要ではない。なのに、どうしてそこまで情熱を傾けることが
できるのか?」

というような質問をした。

それに答えて氏は

「必要なモノだけもっているのは、動物。
なくてもいいモノだからこそ真剣に創らないと伝わらない」

と力をこめて、言った。

二人のやりとりのあと、茂木氏がひょうひょうと放ったヒトコトが
感動的だった。

いわく、

「水、食べ物つまり生きるために必要なモノと出会った時と
いいデザイン、いい音楽と出会った時と喜びを感じる部位は、
人間の脳から見ると同じところ」

つまり、いい表現、創作物、芸術作品とは、魂のための食べ物、
魂のごちそうである…と。

このコトバを聞いたとき、VTRでもスタジオトークでもずっと、
表現者特有の「孤高の鷹」のような顔をしていた奥山氏が、
初めて安心したように笑顔を見せた。

孤高の人の魂をくつろがせるのは、自分の道を歩いて来た人が
何気なく発する、自らの経験の中で培った知識や知恵なのかもしれない。



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