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2012年12月07日

つくる人のパワー

つくる人のパワー

昨夜は、育陶園さんのピザパーティーに招待され、モモト編集長のchojiさん、
bar土の店主・ごうさんとうかがった。

育陶園は300年の伝統を継承する壺屋焼の工房。
今年7月に刊行したモモト11号で女将の啓子さんと、
営業統括担当の長女・若菜さんを取材させていただいた。

育陶園では陶芸教室も開催していて、1クール終了の打ち上げとして
ピザパーティーを定期的に行っているそう。
やちむん(沖縄の言葉で焼物のこと)を焼く窯でピザを焼いて
ふるまう、というなんとも粋な催し。

スタッフ、生徒さんが生地を伸ばして、チーズや野菜、ソーセージなどを
トッピング。
ピザづくりもやちむん作りの一環と思わせる、クリエイティブで
和やかな光景。

次から次へとテーブルに運ばれる熱々のピザを頂き、ワインを飲み、
語らう。お腹の底から元気が沸いてくる、愉快なパーティーだった。

そこで、沢山の方と知り合った。
美しいアナウンサー女史、パリっとスーツを着こなした銀行員の方々、
去年の小浜島でのキビ刈りでご一緒した方(偶然の再会!)、
そして、沖縄が誇る版画家の名嘉睦稔さん。

睦稔さんとchojiさんが長年の知己ということもあり、
また席が隣同士だったので、割と長い時間、お話させて
いただけた。

睦稔さんは、あの重厚なしぶい声で、「肝高の阿麻和利」をはじめとする
現代版組踊の活動について、とても評価して下さった。

いわく

「子ども達に、地元を学ぶ機会をつくり続けるというのは、とても尊いこと。
 それも芸術や文化を通してというのが好きだ」

と。

机の上の勉強に、心と体を使って体感する芸術や文化が加わると
それは、学んだ子どもにとってぶれない芯となる…ということを
おっしゃってくれて、とても嬉しかったし、励みになった。

見ている人は見ている。
そして、そういう「尊い試み」に人生のある時期、関われたことに
あらためて感謝。

また、育陶園・六代目当主の忠さんのお話も心に響いた。
職人は、お客さんの暮らしや風景の中で、器がどのように使われるのかを
イメージしてつくる。

器を媒介にした、つくり手と使い手のコミュニケーション。
忠さんのお人柄もあいまって、ものすごく大きな優しさと寛さを感じた。

その後も、入れ替わり立ち代わり、沢山の人がやってきた。
宴の途中、突如、啓子さんが思い立ち、親友のヨウコさんのお宅に
連れていってくれたり、宴のあとの会場でみんなでしみじみと、
あたたかなコーヒーをいただいたり…と、10日ぶんくらいのお楽しみが
いっぺんにやってきたような夜だった。

やちむん、版画、女将さん、洋裁、写真、Barの店主、アナウンサー…
昨夜ご一緒した方は、みんな何かをつくる人。

昨日は少し風邪気味で、今日は軽い二日酔い。
だけど、やる気に満ちている。

つくる人の作品はもちろんだけど、つくるご本人のパワーと
優しさには、人をその気にさせる推進力があるのだ。

今日もモリモリと生きよう。



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Posted by yurippe at 11:16│Comments(0)島日記
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